第2章:プランク時代の謎と量子重力
〜宇宙が始まってから最初の「0.0000000000000000000000000000000000000001秒」の物語〜
プランク長とプランク時間ってなに?
宇宙が生まれたばかりのころ、どれくらい“とんでもなく小さな”時間や空間の話をしてるか、ちょっと想像してみてください。
■ プランク時間(時間の最小単位)
プランク時間っていうのは「これより短い時間は意味がない」ってされてる、いわば“時間の最小単位”です。
長さで言うと 0.0000000000000000000000000000000000000000001秒(10のマイナス43乗秒)くらい。もはや時間って呼んでいいのかどうかも怪しいほどの一瞬。
たとえば1秒を「地球1周分(約4万km)」だとしたら、プランク時間は1mmのさらに1兆分の1くらい。そのくらい短いんです。
もう想像すらできませんよね。私は途中で数えるのを諦めました(笑)
■ プランク長(空間の最小単位)
空間にも最小単位があって、それが「プランク長」って呼ばれてます。
大きさは 10のマイナス35乗メートル。陽子(原子の中にある粒)の大きさの、さらに1兆分の1兆分の1くらいです。
髪の毛を地球のサイズに例えると、プランク長は…その地球の上に乗っかってるアリの足先にくっついたホコリの中の分子の中の…と、もう無理です(笑)
プランク時代ってどんな時代?
「プランク時代」っていうのは、宇宙が生まれてからほんの10のマイナス43乗秒までの、ごくごく初期のこと。
つまり、「ビッグバン直後」ってやつです。
この時代、宇宙にある「4つの力(重力、電磁気力、弱い力、強い力)」がまだ1つになってたと考えられてます。
ただ、あまりに昔すぎて、実際のところは何も見えてないのが正直なところ。
重力ってなんで“量子化”できないの?
ここからちょっと深い話になります。
物理学って、「量子力学(めちゃくちゃ小さい世界のルール)」と「一般相対性理論(重力とか大きい世界のルール)」って2つの大黒柱があるんです。
で、電磁気力とか他の力は「量子力学」で説明できるのに、重力だけはこのルールにうまくハマらないんです。
■ そもそも「量子化」って?
簡単に言うと、「力を粒として扱う」ってこと。
たとえば光は「光子」って粒がやりとりしてる、って考えると説明がうまくいきます。
たとえば…
2人がバスケットボールを投げ合ってるとします。
このボールが「力のやりとり」だと思ってください。投げたり受け取ったりすることで、お互いの距離や力が変わってくる。
でも、重力にはそのボール(=グラビトン)みたいな存在がまだ見つかってないんです。
■ アインシュタインの重力理論と量子力学は相性が悪い
アインシュタインが言ったのは「重力は空間のゆがみだよ」ということ。連続してるものとして扱ってるんです。
一方、量子力学は「エネルギーや時間は飛び飛びにしか存在しない」っていう考え。
言ってみれば、前者は「アナログ時計」、後者は「デジタル時計」みたいな違い。
このふたつ、どう頑張っても一緒に計算すると無限大が出てきたりして、うまくいかないんです。
弦理論とループ量子重力って何が違うの?
この「重力の量子化ができない問題」をなんとかしようとして生まれたのが、
弦理論(String Theory)
ループ量子重力(Loop Quantum Gravity)
っていう2つの仮説です。
🧬 弦理論(String Theory)
これは「粒子は点じゃなくて“弦(ひも)”みたいなものが振動してるだけ」という考え方。
バイオリンの弦が「ド・レ・ミ」って音を出すように、宇宙の弦も「電子」とか「クォーク」とかの違いを“振動の仕方”で決めてる、ってわけです。
この理論、うまくいけば「全ての力を統一できる」夢の理論なんですが、
問題は、空間が10次元以上ある前提なので、私たちの感覚とはだいぶかけ離れてるところ。
さらに、数学が超むずかしくて、実験で確かめられないのがネック。
🔄 ループ量子重力(Loop Quantum Gravity)
こっちは「空間そのものが、最小単位でできてる」って考え方。
空間は連続じゃなくて、ネットみたいな“粒”の集まり。
時間も、流れるように進むんじゃなくて、「カチッ、カチッ」とステップごとに進む。
イメージとしては、アナログ時計じゃなくてデジタル時計の方が近いです。
この考え方だと、「ビッグバン直後の空間が泡状にゆらいでたかも」っていう、面白いアイデアも説明できるんですが、
まだまだ、他の理論(特に電磁気力とか)との整合性が難しいという課題があります。
まとめ
キーワード 内容
プランク時間 時間の最小単位。10のマイナス43乗秒くらい。
プランク長 距離の最小単位。10のマイナス35乗メートル。
重力の難しさ 一般相対性理論と量子力学の相性が悪い。
弦理論 粒子は“振動するひも”。次元は10以上必要。
ループ量子重力 空間は“粒の集まり”で、時間もステップ式。
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いずれにしても、この「プランク時代」と「量子重力」の話は、宇宙の“最初の一瞬”を解き明かすカギなんです。
今はまだ“仮説”だけど、もしかしたら近い将来、僕らが生きてるうちに「宇宙の始まりの真実」にたどりつけるかもしれないですね。
そう考えると、なんだかワクワクしませんか?
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